映画

人生で一番最初に見た映画として記憶にあるのは「ゴジラの息子」です。

昔は町に一つは小さな地元の映画館があったように思います。

私の母は洋裁学校に通っていた時、学校帰りに映画を見るのが楽しみだったと言っていました。御多分に漏れず「石原裕次郎」が大好きだった、と。ほかにも「若草物語」のジュン・アリスが好きだったとよく言っていましたが、子供の私には「じゅんありす」ってのが人の名前だと理解できるまでにずいぶん掛かったように思います。(念のため調べたらジューン・アリソンって書いてあった)父とはお見合い結婚ですが、初めてのデートで見たのが「ベン・ハー」だったとも言っていました。映画が安価な?大衆娯楽だった時代なのでしょう。私がゴジラの息子を見た映画館で記憶に残っているのは「長靴をはいた猫」です。東映アニメの顔になっていましたね。高校時代に東映アニメのファンクラブに入ったのも、このアニメの印象が強かったからです。

地元の小さな映画館には「東映まんがまつり」で何度か通いました。夏休みに伯母の家に行くとやはり映画を見に連れて行ってもらった記憶があります。ディズニー映画が多かったように思います。「わんわん物語」「ダンボ」←幼稚園の時のお弁当箱のふたの絵だったことを覚えている 「ジャングルブック」「101匹わんちゃん」などの記憶がありますが、一度、ディズニー映画だからアニメだとばかり思っていたのにたぶん「エーミールと探偵たち」だったと思うのですが、実写版で、わけもわからずつまらないと思ったことがありました。たぶん、それが私が初めて見た「外国映画」だったのだと思います(笑)

中学1年か2年の時、初めて友達同士で映画を見に行く約束をしました。小学校の時は「子供だけで学区外に出てはいけない」という規則があったので、それこそ子供だけで学区外、それも街中、さらに『映画を見に行く』というのは大冒険でした。見に行った映画は「ローズマリーの赤ちゃん」でした。当時、エクソシストを皮切りにオカルト、ホラーブームだったように思います。怖いと言えば怖い映画だったのですが、本当に怖い!と思ったのはラストだけでそれまでは、なんだかよくわからない映画で、正直なことをいうと「つまらない」と感じていました。今調べたらエクソシストより前に作られていました。(1968年、日本公開1969年)エクソシストのヒットでリバイバル上映されたのでしょう。同時上映されていた映画のほうがはるかに怖かった気がするのですが、そのタイトルは全く記憶にありません。ただ出てきて女性の名前が「アグネス」だったのだけは覚えています(アグネス・チャンが好きだったので・笑)

実家近くの映画館が潰れてしまってからは映画とは少し距離ができました。それでも

中学3年のお正月に友人の家に行ったら、彼女のお母さんに「映画でも見ておいで」とチケットをもらったのかお金をもらったのかわかりませんが、その友人と二人でバスに乗って見に行った映画が百恵ちゃんの「春琴抄」でした。ここの映画館も小さな映画館でしたが、後に母と妹で「火の鳥」を見に行ったことがあります。当時、実家のお店は午後からしかお休みがなかったので、多分 夕方くらいの上映回だったのだと思います。映画館から出たら外はピカピカキラキラのネオン街で客引きのお兄ちゃんがゾロゾロいる世界で母と3人で逃げるようにして帰ってきました。元々あまりガラの良くない地域だとは知っていたのですが、やはり実際に目にするとインパクトがあり、その後、その映画館には行っちゃだめ、と言われました。なので、ここからあまり映画とはご縁がなくなりました。

久しぶりの映画はジュリーの「魔界転生」でした。元々ジュリーのファンで今で言う腐女子だった私は大学2年の時、合ハイで「ジュリーと真田さんのキスシーンが見たい!」と騒いで、そこにいたみんなで(たぶん男女合わせて7~8人)行くことになりました。そして、約束の当日、映画館にいたのは私と夫だけ…… で、それがきっかけで付き合うようになったわけです(笑) 世の腐女子は、彼氏や夫にその趣味を話せない人も多かったようですが、そもそも私たちの場合、最初っから公開しているので、自分ではなかなかレジに持っていけなかった「June」とか「Allan」という雑誌を夫に買ってきてもらっていました。それでも、当時はそういう系が好き、というだけで、いわゆる同人と言うものを知ったのは1993年ごろ? でオタク活動を始めたのが1995年だと思います。1999年にインターネットが繋がってHPを持ったのもその頃でした。いろんな繫がりができて楽しかった日々です。いつもいつも不満だらけの私ですが、この7~8年が自分で好き勝手やって楽しんでいたな、と思える時期です。

ただ、子どもたちが思春期だったので、ここですれ違いができてしまったのかもしれないと今では後悔の悔悟の歴史ではありますが……

 

話は戻り、夫と付き合うようになってデートで映画を見に行くことがちょくちょくありました。私は恋愛ものは大嫌い、ミステリーが好きだと言ったことからアガサ・クリスティーをいくつか見ましたが、そもそもは私が高校生の時「ルパン三世」を見に行ったら同時上映だったのが「ナイル殺人事件」でした。当時はメインの映画と同時上映で二本立て、と言うことが多かったようです。おかげで、ナイル殺人事件は映画館で3回も見る羽目になりました。(その後、クリスタル殺人事件、地中海殺人事件、ドーバー海峡殺人事件、そして誰もいなくなった などを映画館で見たとき、どこか二つで同時上映だった)テレビでも何度か見ました(笑) 私はアガサクリスティの本はコンプリートしていますが、どれも2回以上読んでいます。大好きな「そして誰もいなくなった」、「オリエント急行の殺人」や「マギンティ夫人は死んだ」「五匹の子豚」などは少なくとも5回は読んでいます。ついでにNHKのドラマも見ているし、ついに我慢できずに3~4年前にDVDボックスも買っちゃいました(笑)

ミスティのほかはコメディが好きで、特にピンクパンサーは中学生の時、卒業生を送る会で劇をやろうとクラスの男子が結束してたので、とりあえずメイド役(笑)でオーディションに参加したのですが、残念ながらその劇は日の目を見ることはありませんでした。でも、思い入れはありました。これは映画館ではクルーゾー警部の出ていない?最新作を見た記憶があります。テレビの放映で何度か見たのかな? 同じころに「Mr.Boo」なんかも好きだったように思います。

たぶん結婚してからだと思いますが「ネバーエンディングストーリー」を見に行きました。アトレーユ役のノア・ハザウェイ君がそれはもう好みのツボの美少年で、とにかく人の名前を覚えられない私が一発で覚えた数少ない外国人俳優でした。

私は中学時代に「ナルニア国ものがたり」に出会ってからイギリス文学とか異世界ファンタジーに惚れ込んで、そうなるとコレクター魂が働き、たくさん本を買いそろえました。主に王道の古典的名作です。ナルニアホビットの冒険、メアリーポピンズ、床下の小人たちなど。作者で言えばリンドグレーンとかアランガーナーとか

その頃はまだファミコンのない世界で「異世界ファンタジー」? 何それ? みたいな感じでした。しかし、ファミコンの登場によって? まさかこれほどファンタジーが当たり前になるとは思ってもみませんでした。高校~大学のころにそう言う本を買い集めていたのですが、お年玉で(笑)ナルニアを7冊 一気買いした時に父が取りに行ってくれたのですが「お孫さんのですか?」と言われた、と当時40代前半だった父は怒っていました(笑) 今だったらファンタジー=子ども(小学生?)って言われることもないでしょうね。ファンタジーの世界の思い入れもたくさんあるのですが、とりあえず、今回の本題に戻り「ネバーエンディングストーリー」ですが、この映画で胸を締め付けられるくらいはっきりと覚えているシーンがあります。アトレーユの愛馬のアルタクスが「悲しみの沼」にはまってしまうところです。悲しみにとりつかれて沼の中に沈んでいく、と言うのが衝撃でした。と言うか自分がとても辛くなると自分もあの悲しみの沼の奥底に引きずり込まれていくような感覚になります。私もこのまま飲み込まれてしまうんだな、と……

底なし沼には少しばかり因縁があります。一代で財を築いた曽祖父が京都の底なし沼の埋め立てを請け負って失敗し、すべての財産を失った、と聞かされていたので…

子どものころから「底なし沼」はまさに底なし沼で恐怖の対象だったのですが、そこに「悲しみ」と言うキーワードが加わって、今でも辛いときにはあのシーンを思い出します。

子どもが生まれるまではちょこちょこ映画も見に行きましたが、子育て中はほとんど行くこともなく、一度、今で言うところのママ友たちとまんが祭りに行った覚えはありますが、その後は全く縁がなく、家族で行ったのは「もののけ姫」が最初だったように思います。テレビやレンタルでちょこちょこ映画を見たりしていましたが、やあっぱり映画館は迫力が違うなぁと改めて認識しました。

とは言え、映画館へ行く、と言うのはハードルが高く、その後は「千と千尋の神隠し」を見に行ったのが最後のように思います。

今はコロナのこともあって映画館へ足を運べませんが、またいつか、ゆっくり映画を見ることができたら、と思います。

ただ、自分の好みに合う映画がかかるかどうかはわかりません。

年を取ったのできっと好みも変わっているはずですし・・・