メガネの話

私は中学1年の時に初めてメガネを掛けました。

と言っても正直なことを言えば、その当時はそれほど目が悪いわけではありませんでした。

思春期の頃って、ちょっと違う自分に憧れることがありますよね?

で、私も眼鏡で変身できるとでも思ったのでしょうか。ちょっと眼鏡を掛けてみたいと思ったのがきっかけだったと思います。

で、ちょっとだけ視力が落ちた時に、逆に大騒ぎして、すぐにメガネを勧めると言う眼科へ行き、眼鏡を作ることになりました。

当時の私は経済観念なんてものは皆無だったし、家は自営業だったので割とお金は自由に出してくれていました。(高3の時、前歯の差し歯に10万かかったけど親は黙って受け入れてくれた) 父も母も視力がとてもよかったので、母は「うちの家系に目が悪い人はいない」と言っていたのですが、父の弟が目が悪かったので、割とすんなり受け入れてもらいました。

 その、芽が悪くなる直前のエピソードで思い出したのが中1の時の授業。当時私は一番後ろの席で、野球部のI君と並んでいました。当時の机は今のように一人机ではなく、二人用の一枚机でした。よく、その木の机の真ん中に境界線がカッターで刻まれていたり、結構、隣が気になる作りです(笑) I君は丸刈りでちょっとコワモテで、勉強もできないしノートも取らないような子だったので隣同士の席になった時には委縮して全くしゃべることもできませんでした。しかし、一番後ろの席なので黒板の文字がはっきり見えず困っていると、そのI君が自分のノートを取って私に見せてくれるようになりました。その時の「なんか、こんな風な感じ・・・」と怪しげな漢字を一生懸命書き写してくれたりしてちょっと感動しました。後に、別のクラスの彼の仲間の野球部の子が「Iってお前の事が好きなんだって」と言ってきたことがあって、そもそもその同じ野球部の子の事すら知らなかった私はビックリして逃げて来たことがあります。当時私はH君と言う子が好きでした。と言うか、仲間内で「クラスのベスト5」(SNK?H)なんて男の子の順位を決めていた時に、圧倒的人気だったS君を1位にしないで5番人気だったH君を一番に挙げたせいで「コンケロはH君が好き!」という噂になって広まってしまいました。それがちょうど、I君が私の事を気に入っている、と言われたころの事でした。実際には私はI君からは何も言われていなかったし、H君はいわゆるカワイイ系でうちのクラスでは5番人気でしたが(笑) 他のクラスの元々同じ小学校から来た子たちからは相当人気があったようで、妬みとやっかみで逆に「違う」と言えないような状態になりました。H君は誰が好きとも嫌いとも言わない子でしたので、私はモテモテのH君にけなげに恋するカタブツ女、みたいな位置づけになりました。なんだか今からすれば笑っちゃうようなお子ちゃまな世界ですが、当時はそれなりに悩みました。私は「真面目でおとなしく頭のいい子」と言うキャラでした。なので、その真面目女が 女の子のようにカワイイH君にゾッコン、と言うのが面白かったのでしょう。H君は本当に昔からの私の好みの容姿としてはドストレートでした。でも、人間性に関してはどうかな~?と言う感じでした。一方、I君はコワモテで丸刈りで、壊滅的にお勉強ができない(笑) 私はやっぱり、自分より頭のいい男の子が好きでした。ベスト5で言えばS君とN君なのですが、容姿がアウトオブ眼中でした。でもS君は頭がいい上にお金持ちで性格も良かったので、人気があるのは素直にわかりました。私は真面目なのになぜか派手な女子グループに紛れ込んでいたので、このベスト5を交えてよく遊びに行っていました。我が家にも何度かこの総勢10人ぐらいのグループで遊びに来たことがあります。その中でS君はうちの親が働いている姿をじっと興味深く見ていたりして、親が「危ないし汚いから近寄らない方がいいよ」と言った時に「とてもすごいお仕事だと思います」って言ってくれた時にさすがにキュンとしました。本当にすごくいい子で、高校も県下トップの所へうちの中学からは2人だけ進学しました。そう言えば、また話が派生しますが、そのトップの高校に行ったもう一人は中2の時に同じクラスだったA君なのですが、彼はハッキリ言ってかなりハンサムで、生徒会長もしていました。そして、彼もメッチャ、性格が良かったです。中2の時、私はクラスの女子に一人も仲のいい子がいなくて、いつも隣のクラスの小学校からの友人のIちゃんとつるんでいたのですが、どうしてもクラス単位で動かなくてはいけない時はあぶれてしまっていました。そんな私にもすごく気を使ってくれてさりげなく、クラスの女子に溶け込むようにしてくれました。今から思うと信じられないくらいの洞察力と言うかコミュニケーション能力だったと思います。彼が生徒会長に立候補した時にはマジでファンクラブのようなものができてました。(圧倒的に下級生女子から人気があった) 中2のクラスは新卒の男性教師が担任で、この先生がまあ、トラブルばかり起こして今でいうなら学級崩壊寸前のクラスでしたが、A君がなんとかギリギリ クラスをつなぎとめてくれていたように思います。懐かしいなぁ・・・

さて、もう一度中1の時に戻りますが、私はI君は苦手なタイプでしたが、わからない漢字を私のために必死になって書き写してくれるやさしさや、野球部のゼッケンを自分で一生懸命縫い付けている姿(坊主頭の髪に針をスッスとこすっている姿が笑えた。普通は髪の毛の油で針の通りを良くするためのしぐさ) とかにちょっとだけときめいたりしてました。

何しろ、当時から私は「まじめ」だけが取り柄のおデブ女でしたので男の子から好意を示されたのは初めてでした。正直、もう二度とないかも、とか思っていたのですが、水泳部の3年の変な先輩にやたら気に入られて閉口することになりました(笑) で、おかしな言い方ですが「妥協はしてはいけない」とも学んだわけです。それでも、誰かと誰かが付き合っている、なんて言葉を聞くと憧れるのは思春期の乙女なのであったように思います。いずれにしても甘酸っぱい思い出ではあります。

さて、中1で眼鏡をかけるようにはなりましたが、当時は授業中だけでした。高校に入ると銀ブチメガネが流行りました。私も例にもれず銀ブチメガネでした。今から思い出すと恥ずかしいような鼻の上が2本になっているティアドロップ型。フォークソンググループがかけてるような奴です(笑) これで大学の時に「手入れが楽な頭でお願いします」って言ったら「アフロ」にされて昔の鶴瓶さんみたいなカッコをしていました。これはもう黒歴史(爆)

今思えば、その頃に旦那さんとも大好きだったW君とも出会って付き合うところまで行ったのですからよくわかりません。その後は中森明菜みたいな髪型が流行って、私もそんな風なスタイルでした。昔の写真を見て一番イケてたのは(笑)この頃だけです。あ、笑い話のつもりで書いたけど大好きだったW君と別れてバッサリ髪を切って、以来私は人生の大半は

「くるよちゃん」ヘア(今いくよくるよのおデブな方)です。妹には「おにぎりにノリ」って言われてましたが・・・ 保険のオバサンをしていたころはソバージュが流行っていたのでしていたことがありますが、満員電車の中で「なにこの髪、邪魔くさい!!」と見知らぬオバサンに髪をひっつかまれて以来、やめました・・・・・・ これも嫌な思い出かも・・・ そんなこんなで結局、手入れのいらない超ショートですごしています。

メガネの話から髪型に移行してしまいましたが、おデブな私はさらにおデブに拍車がかかり、着る物にしてもとりあえずサイズが合えば何でもいい、くらいの興味しかありませんでした。さすがに保険のオバサンをしていた時は職域開発室と言う部署だったのでスーツを着ることが多かったのですが、それ以外は本当にダラ~とした恰好しかしていませんでした。その後、高校の非常勤講師をしていましたが、まあ普通のワンマイルウェアみたいなので過ごしていました。この頃にはメガネは車を運転するときだけは必須で後はつけたりつけなかったり・・・

しかし、ある時、生徒の一人が「先生、眼鏡をしてない方が老けて見えるよ」と。その一言から私はメガネを常につけるようになりました(笑) 人目も何も気にしない、と言っていたくせに、そんな生徒の一言が気になるとは! いや、でもその頃は「老けて見える」がかなり恐怖だったように思います。あれからもう25年以上が過ぎましたが、今は本当にメガネなしでは生活できなくなりました。しかし40歳ごろから始まった老眼がやっかいです。まだ老眼鏡は持っていませんが、近眼で老眼と言うのはメガネをしている者にとってはかなり厄介です。もうこの20年、ピアノもお琴も譜面が見れなくてできないでいます。娘が3歳の時に母がピアノを買ってくれたのですが家の前がピアノの先生でレッスンをお願いしたら、小学校に上がったくらいでないと嫌だと言われ(笑) じゃ、せっかくだから、と娘が習えるようになるまで私がピアノを習うことになりました。私は小学校5年から中学くらいまで習っていました。お隣の先生によると私が習っていた先生はキチンとしていてよかった、と。下手な音楽教室なんかで習っているとグチャグチャの自己流もどきになるそうですが、基本はしっかりできている、とのことでした。で、気を良くして通っていたのですが、この先生はやたら「暗譜」を求めて、それがまあ、頭の固い私には至難の業でした。3年足らずで娘にバトンタッチをして娘は小学校~中学2年まで習いましたが、暗譜をすらすらする姿にうらやましいなあと思いました。特に今のように楽譜と鍵盤を両方見れない状態になると私もしっかり暗譜をしていれば、今でも少しくらいは知ってる曲を弾けたかも、と・・・ 数年前にはなんとか腱鞘炎を経ても暗譜でギリギリ弾けていた「白い恋人たち」が腕の老化?も相まって技術では弾けないし楽譜がないと弾けないし・・・と言う状況です。

毎年3月に調律に来てくれる方に「たまには弾いてあげてくださいね」と言われて、暇に任せてピアノの前に座ったものの、「見えない!!」で挫折してしまっています。

メガネを付けても付けなくても見えない・・・ イライラするからメガネなんてしたくない! と言ってもすでにメガネなしでは物が見にくい状態でさらにコロナワクチンの影響?で悪化している気もしているし・・・

それよりも鏡をのぞき込むと、やっぱりメガネがない方が老けて見えるんです。25年も前に生徒に指摘されたとおり。そしてそれが加速して・・・ さらに最近はマスクをするのでごまかせていますが、マスクが必要なくなったら老け度が増しそうに感じます。

メガネとマスクで顔を覆い隠さなければ外を歩けないくらいに思っています(笑)