はてなブログ10周年特別お題「好きな少女漫画10選」 昭和40年代(70年代前半)

私の好きな漫画 70年代前半

1・トーマの心臓   萩尾望都 1974

2・ベルサイユのばら  池田理代子  1972~1973

3・くれないに燃ゆるとも  木原としえ(木原敏江) 1972

4・玉三郎 恋の狂想曲シリーズ  岸裕子  1972~1979

5・雨のにおいのする街  一条ゆかり 1972 

6・ビクトリアの遺書   美内すずえ   1971

7・ポーの一族   萩尾望都  1972~1976

8・午後5時1分前…!  佐伯かよの  1973

9・キッスにご用心!   山本鈴美香  1973

10・モンシェリCoCo  大和和紀   1971

 

お題が「10選」だったので頑張って10個に絞ってみた結果です。基本的には好きな作家さんのものは全部コンプリートするタイプなので、同じ作家さんのものは省こうかな、と思ったのですが、やはり思い入れが違うので、あえて並べてみました。

私が子供のころ死ぬほど苦手だったのが「読書感想文」で(笑) 今も、自分の感動とか思いを伝えることが苦手なので、誰かに何かを伝えるためではなく、ただ単に自分の「好き」を再確認するために書いていきます。

 

トーマの心臓」はとにかく私の好きな漫画のBest of Best でこれはもう死ぬまで更新されることはないと思っています。ユリスモールの苦しみにハートを鷲掴みにされてました。もう何度も何度も何度も読み返して、読むたびに新鮮に胸をかきむしるような切なさ(ああ、なんて陳腐な表現!)に打ちのめされます。最初の頃はユリスモールにしか目が行きませんでしたが、そのうちにオスカーが人気のワケとかトーマやエーリク、そして彼らを取り巻く全ての人に心を持っていかれました。永遠に読み返したい作品です。

 

ベルサイユのばら」はもちろん知らない人のいない少女漫画の金字塔です。この作品のせいで私が漫画にのめり込んだのは間違いありません。オスカル様は今でも私の中で憧れのあこがれの最高の女性です。アンドレが死んだ時、私は生まれてはじめて「ファンレター」と言うか「抗議レター」と言うかを編集部あてに書いて送った覚えがあります。でも、そのわずか2号後で大好きな大好きなオスカル様まで・・・ もう、本当に放心状態になりました。小学6年か中学1年の時でたまたま友達が遊びに来ていた時に週マを読んでベッドに泣き崩れて、驚かれたました・・・ そう、まだ子供だったので主人公が死んでしまうという展開の漫画に出会ったのは初めてでした。

安奈淳さんの宝塚も見に行きました。地方公演の2階の一番上の席でしたが、今から思えばよくチケットが取れたな、と思います。 私は子どもの頃から男装の麗人タイプにメッチャ弱かったのですが、オスカル様の登場でそれが確定されました(笑) オスカル様のように「自分の力で未来を切り開いていく女性」にメッチャ憧れました。子供の頃はオスカルとアンドレしか目に入りませんでしたが、その後、外伝などを通して、当時は嫌いだったジェローデルにもちょっと肩入れできるようになりました。あ、ルイ・ジョゼフくんはメッチャ好きでした。

そう言えば実写映画の「レディー・オスカル」も見に行った覚えがあります。上映途中で故障があってフィルムが巻き戻されて爆笑が起こったのも懐かしい思い出です・・・

 

ちょっと話がずれますが、私と漫画の出会いを先にご披露します。私が漫画雑誌というものを初めて手にしたのは6歳くらいでした。母の実家の近くの神社でお祭りがあった時、多分高校生くらいのおねーさんが漫画雑誌を1冊10円で売っていました。当時、週間の少女漫画雑誌は60~70円くらいだった気がします。お祭りで「あれが欲しい、これが欲しい」とねだったものの、高くて買ってもらえなかった時、10円で売られていた漫画。さすがの母も10円でおねだり攻撃が収まると思って?買ってくれました。それで漫画の虜になりました。特に強烈だったのは、楳図かずお先生の「あかんぼ少女」でした。(このタイトルと作者の名前を知るのはずっと後になってからですが) とにかく、怖くて怖くて夢に見るほど「たまみちゃん」の顔と名前だけは忘れられませんでした。(その後のヘビ女はもっと怖かった・・・) 私がお小遣いというものを月額でもらうようになったのは小学校6年生の時で、小学校5年でベルサイユのばらに出会った私は週刊マーガレットにお小遣いの大半を費やすようになりました。それ以前は週フレと別コミを歯医者さんで、別マをうどん屋さんをやっていた叔母のお店で時々目にするくらいでした。定期購読したのは週マが初めてで、その後「花とゆめ」「LaLa」は創刊号から欠かさず買うことになりました。この頃には「ぶ~け」「Asuka」「June」「Allam」「セブンティーン」「プリンセス」なども買っていました。結婚する時(1984)に創刊号から欠かさず買っていたLaLaは持っていって、子供が生まれるくらいまではLaLaだけは買っていましたが、二人目が生まれた1988年に漫画雑誌から足を洗いました(笑) (好きな作家さんのコミックスだけを書い続けていた)

木原としえさんを知ったのは1972年の「水色のメルヘン」でした。この時初めて漫画のタイトルと作者の名前を同時に覚えました。別コミでした。私の中では主人公が「人魚」と言うのがすごく斬新?ですっかりお気に入りに。で、「木原としえ」と言う名前もインプット。そして小学校5年の時、地元の中学校で小学生の交流会?みたいなものがありました。当時、うちの中学校は3つの小学校が合流していました。で、その交流会には各小学校の通学団から3名ずつ出席することになっていたのだと思います。通学団からは6年生が出るのですが、たまたまうちの通学団の班長が父の友人の娘で彼女が当時5年生の私を誘ってくれました。で、その集まりのお土産?に貰ったのが「週刊マーガレット」でした。その週マに「木原としえ」さんの新連載の予告が載っていたのです。「お出合いあそばせ」だったと思います。さっそく、次の号から買い始めました。もちろん木原さんの作品はメッチャ好きなお話でしたが、ここで「ベルばら」にぞっこん惚れ込んでしまって、私の漫画人生が本格的に始まった気がします。木原さんがきっかけを作り、ベルばらが決定打になったという感じです。

で、やっと「くれないに燃ゆるとも」に戻りますが(笑)、多分、私が読んだ中では初めての時代劇?でした。これから先、惚れ込む木原さんの作品全てに共通すると思うのですが、今も私は言葉足らずでうまく言い表せないのですが、言ってみれば「無常観」と言うかとにかく、せつなくてせつなくてせつなくて・・・ 「愛は不死鳥のように」とか短編は本当に珠玉作というか。どれほど泣かされたかしれません。キャラとしてはやはり「フィリップ」さんのファンでした。なので、彼の転生?キャラがことごとく好きです。エメラルドの海賊、天まであがれ、アンジェリク(ASゴロン原作)、摩利と新吾、夢の碑シリーズまで長編もフィル様追っかけで好きでした。

その数あるお気に入りの中から「くれないに燃ゆるとも」を選んだのは何ていうか、それまで単純に善と悪と言う概念しかなかった私の価値観をひっくり返してくれた作品だったからです。ネタバレですが育ての親と兄弟の仇が実の父親と知った時、ためらう主人公にフィル(育ての兄弟)が「討て」と命じるシーン。そしてかたきを討つシーン・・・もう、これは私のそれまでの価値観をひっくり返すくらい衝撃的でせつないシーンでした。(なにせ、小学5年生だったので)

 

玉三郎 恋の狂想曲シリーズ」はたぶん、歯医者さんに置いてあった「別コミ」で「恋はどこから?」を読んだのが初めてだと思います。けっこう長く歯医者通いをしていたのもありますが、漫画目当てで妹や友達の歯医者通いにもついていっていました(笑) そこで出会った、それこそ今で言うBLのハシリとも言える玉三郎シリーズ・・・ まさに運命の出会いだったのかも(笑)

私は子供を生んで昭和60年代のはじめ(1988)には新しい漫画から離れており、その後10年くらいして再び漫画に触れるようになったら世の中はBL全盛期。なんでなんでなんで? と言う感じでした。中学生の頃に竹宮恵子さんの「風と木の詩」をクラスの男子が大騒ぎして見ていたのは記憶にありますが、当時の私はそう言うのが好きだとはとてもとても言えずにいました。高校の時にプロ並みに漫画のうまい女の子がいて、彼女がそう言う方面が好きだと言うことをさり気なく公表していても、あくまでも私は「優等生」の仮面をかぶり続け「おお、同志よ!」とは言えませんでした。(実はJuneがJunだった頃(創刊2号目だったらしい)からこっそり買っていた) BLぽいものが好きだとやっとカミングアウトできたのは大学生の時に「ビョルン・アンドレセン」大好きなクラスメートとつるむようになってからです(笑) 当時は摩利と新吾日出処の天子、ツーリング・エクスプレスなどの話題で彼女とは盛り上がっていました。でも、やっぱりマイナーな分野だったと思っています。

それを遡ること10年近く前ですので、まさになんと言うか禁断の書物? 背徳感?に溢れてこっそり読むという感じでした。玉三郎シリーズはコメディ要素が強かったので好きと言っても問題はなかったのだとは思いますが(笑) とにかく、新しい扉を開けてくれた作品には違いありません。

 

「雨のにおいのする街」 りぼんの付録本だった気がします。当時私は「りぼん」と言う雑誌は読んだことがありませんでした。小学校の時だれかがこの付録雑誌を学校に持ってきて、それを借りて読んで一発KOされました。そのおかげでりぼんも定期購読することになりました(笑) このころ、超常現象ブームだったのかな? エスパーとか超能力者ってのにものすごく興味があった気がします。それと女性の方が年上で恋が成り立つ?ってのが私の中では目からウロコでした。この作品で一条ゆかりさんを知って、私が人生で一番最初に買った漫画のコミックスが「恋はお手やわらかに」です。本編無視して余談ばかりですが、高校の体育の授業で「創作ダンス」と言うのがあったのですが、私の班のテーマは「魔女狩り」でした(どうしてそんなのになったのだろう? 使っていた曲は映画ロッキーの一部だった・・・) その創作ダンスのパンフレットを作らなくてはいけなくて私は運動は全くだめだったし、芸術の選択が美術だったので絵を担当させられました。で、その時、この漫画のどこかのシーンを拝借したら大絶賛されてしまいました・・・ 同じことが大学の時にもありました。西洋料理のテーブルマナーで献立表を作らなくてはいけなくて、全員の宿題だったのですが、私は木原としえさんの画集のバラの枠組みをパクったら絶賛されて採用されてしまいました。3つのクラスがあったのですが、うちのクラスだけ別格に素晴らしい献立表だと教授方に気に入られ、おかげで卒業してからも名前を覚えていただけるというわけのわからない栄誉を頂いてしまいました。(非常勤講師で教えていた生徒が私の大学に進学したら『あのコンケロさんの教え子』って言われた、と生徒が教えてくれた・・・) ただのパクリだったんですけど・・・ 今だったらどんだけ叩かれるかしれないと恐ろしいです・・・

 

「ビクトリアの遺書」は従姉妹の家で読みました。当時は少女漫画は外国を舞台にしているものが多かったように思いますが、ある意味、非日常の極みでした。遺書、というものが何なのかもしれない年齢でしたが、このタイトルが漫画のタイトルとして初めて覚えたタイトルでした。この作品が美内すずえさんのものだと知るのは花とゆめを買うようになって「白ゆりの騎士」「ガラスの仮面」に出会ってからです。別マは別の従姉妹のお店で時々読んでいたのですが、それ以前に初めて出会ったのがこのお話でした。また話がそれますが、この従姉妹は父方の伯母の娘です。私より3~4歳年上だったと思います。従姉妹の母親が私のブログでも度々出てくる本当は父の異母姉で、私の母が毛嫌していた伯母です。母と伯母がお互いに嫌い合っていたせいか、年が離れているせいか(でも、父の妹の家のいとこは5つ離れた男の子を筆頭に男ばかり3人だけどちょくちょく泊まりに行っていた)あまり交流がなく、その家に泊まったのも初めてだった気がします。古い家で家に年代物の足踏みオルガンがあったのを覚えています。それがとても羨ましく感じました。それから間もなく我が家は家を建て直し、ピアノを買ってもらったのですが、なぜか今もあの古いオルガンが魅力的に思い出されます。その古いオルガンと過去から転生?してきたビクトリアとのイメージが結びついているのかな、と思います。

 

ポーの一族」もちろん、萩尾望都さんの代表作です。私は歯医者さんで「グレンスミスの日記」を読んだのが最初です。なんとなくタイトルだけは頭に残っていました。後にポーの一族のコミックスを読んで、このシリーズだったんだ、と知りました。なんとも幻想的なお話だったと思います。うまく言い表せないのですが、好きな漫画10選から絶対外してはいけないシリーズだと思っています。

 

「午後5時1分前・・・!」はSFです。先にも書きましたが、この頃からSFに傾倒していたのでものすごく印象的だった気がします。佐伯かよのさんの他の作品だったのかもしれませんが、人間の脳の容量?には限界があってそれを超えるとピキッと割れてしまうような話があって、それを勉強できない言い訳に使ったりしていました(笑) 私の世界が狭かったせいか、結末が示されずに委ねられる、と言う感じのラストが斬新的でした。

「キッスにご用心!」 山本鈴美香さんの代表作と言えば「エースをねらえ!」だと思いますし、私の一番好きな作品は「7つの黄金郷」です。(これを入れようと思っていたら連載開始が昭和50年代でした) 読み切り短編3つくらいのシリーズでした。コメディですがところどころホロッとするところもあり、エースの前にこれで山本鈴美香さんに惚れ込んだ気がします。

 

モンシェリCoCo」 大和和紀さんです。ちょうどこれが連載されているころまで週フレを時々買っていたように思います。私は作者と作品名が覚えられない人間なので「はいからさんが通る」で大和和紀さんがメジャーになってから、この作品が大和和紀さんの作品だったと知りました。デザイナーの卵のココと言うのがオシャレで、田舎者の私にとってはコーヒー袋のバッグとか宝石のようなケーキとかがあまりに日常と離れていて想像もつかないけど、ちょっと憧れでした。・・・と、そんな場面はメッチャ覚えているのに肝心のストーリーはほとんど覚えていないという・・・ 今更ですが頑張って探してみようかな(笑)

 

 

 

 

長々と書き連ねましたが、究極の所、好きなものはすなわち自分の人生の歴史そのものだという感じがします。

「歌は世に連れ、世は歌につれ」と言うように流行りの歌にはその時代背景と共に歌い継がれていき、その歌を聞いた瞬間にその時代にタイムスリップできます。リアルタイムで読んできた本や漫画もそうですし、自分の歴史を再確認するものでもありました。当時の世相や自分の家庭や周囲との関係、色々なものが相まっての「好き」なんだな、と。

なので、投票で集まったベストテンとはかけ離れていたとしてもこれはまさに私の歴史なんだな、と感じています。遡るのが楽しかったです。

 

で、実は70年代なかばからが私が漫画にのめり込んでいた時期なので、好きな作品が目白押しです。

で、「好きな少女漫画10選」をさらに分化して 

昭和50年代①(70年代後半)  昭和50年代②(80年代前半)  と考えていたのですが、そもそもコメントを書こうと思うと単なる自分の思い出話だけになってしまうので

 

次はタイトルだけをあげることにします(笑)