「自分を責めないでくださいね」

もう何年も前、霊視の先生とお話をしたとき、借地の実家の土地を買い取りたいと言う話をしました。その時に先生は「そう言う目標を持つ事はいいことです」とおっしゃいました。

でも、その時に「でも、それが叶わなかったとしても『自分を責めないでくださいね』」と。

その言葉を聞いて私は、この願いが叶わないんだな、と判断しました。基本、先生は自分の人生でその選択との線が繋がっているかないかが見えるのだとおっしゃっていました。できるできないをはっきり言ってしまうと、それに影響を受けてしまうから、と。その線があるのかないのかだけを教えてくれます。

なので、実家を買い取る話も「ない」とは言いませんでしたが、その一方で「叶わなかったとしても」と言う表現をしたことで、私の中では「ない」のだと判断しました。

で、今回、家の住み替えリフォームなどであちこち検討していた時に「実家の土地を買い取る交渉をする」と言う選択肢はありませんでした。でも、今現在母と一緒に住んでいる妹が「この家の土地を買い取ればそれが一番得だ」と言い出しました。

実際、私は何度もそれを夢見て、でも結局妹一家が住み着いたことで、そこはもう自分の実家ではない、と言う感覚がありました。今までも何度も書いていますが、妹は母に甘え切って経済的な恩恵も受けてきたと思っています。今でも甥っ子一家などが我が物顔で実家にいるのを見ると、正直妬ましく寂しく感じていました。

で、何度も「ここはもう、私の家ではない」と言い聞かせて納得していました。

ところが、数年前に「お姉ちゃんが帰ってくるなら私はいつでもすぐにここを出るから」と言っていましたが、たまたまそのタイミングで町内会の会長が当たってしまったので先送りするうちにコロナ騒動になってしまいました。そうして4~5年が過ぎました。

で、実家近くのマンションを気に入って買いたいと言う話をしたときに、妹からまた「実家を買い取れば・・・」と言う話が出ました。しかし、母は何年も前に地主さんに交渉した時に「あたり一帯を一括で」と言われて諦めた経緯があり、それ以降交渉していないし、今私が熱意をもってもう一度地主さんに聞くだけでも、と言っても結局、黙るだけでした。それをみて「やっぱり、駄目なんだな」と判断しました。さらに、その時また妹が「お姉ちゃんがここに入るなら私は明日にだって出ていくことができる」と。「お姉ちゃんがここに入ってくれたら仏さんも墓も安心だし」と。

そこで改めて、今までさんざっぱら母に金銭面でも生活面でも甘えてきたくせに、80代半ばになってこれから「介護」が必要になるかもしれない母を私に押し付けてトンズラするつもりなんだ、と感じてしまいました。

そう、昔から末っ子の妹はいいとこどりの調子のいい奴だったので。それでさらに外面も良くてまるで健気に母の面倒を見てきたように装って・・・

そう思ったら、今まで妹の子どもたちが「内孫」でどれだけ、うちの子どもたちより優遇されてきたかしれないのに、と言う悔しいと言うか悲しい思いが溢れそうになりました。もちろん、私の気持ちもそうですがでも、やっぱり私は自分よりも自分のこども、なのです。

悲しい悔しい、許せない・・・ だから、もう実家の事は見捨てよう、と。

でも、もちろん、私はずっと自分が長女として実家を守らなくてはいけないと思ってきたので、実家を捨てるのは心が苦しくて・・・

で、あらためて何年も前に霊視の先生が言った「自分を責めないでくださいね」がよみがえりました。

そう、あの時、もし私が「実家の土地を買い取りたい」と言って「それが叶わなかったとしたら」

普通であれば「気を落とさないでくださいね」とか百歩譲って「あなたのせいではないです」と言う表現だったはず。なのに、そのとき先生は間違いなく「自分を責めないでくださいね」と言ったのです。

もしかしたら、この先、実家を手に入れる話が来るのかもしれません。

でももう、新しいマンションを決めたので二度と実家を手に入れる機会はなくなりました。

 

ただ、これが本当に先生の見えていた世界だと納得して前に進むことにしました。